なんでも聞かないで!発達障害の「自分で決められない」への解決策

すめし家流

アスペルガーのパートナーをお持ちの人で

  • 細かいことまで尋ねてくる
  • なんでも一緒に考えて欲しがって大変

と困りの方が多いと聞きます。

実際、ぴぴちゃんと住んで長いですがこのようなシチュエーションに遭遇することが多いです。

今回は我が家ではどのようにぴぴちゃんと接しているかについてお話しします。

とにかく決められないアスペルガーの特徴

優柔不断なんです、究極に。

例えば「今晩の晩御飯」もなかなか一人で決められない状態でした。

外食をするしない、するならどこに行くか、というところも一人では決められません。

するとどうするのかというと、全部私に聞いてくるのです

初めのうちは懇切丁寧に「そうだねえ」と一緒に考えていたのですが、ある時気が付きます。

すめし
すめし

「こいつ、自分で何も考えようとしてねえ、、、相談するふりして全部俺に決めさせようとしている、、??」

ということで、どうして全部聞いてくるのか原因を考えじっくりといろいろと試しました。

その結果、今ではぴぴちゃん一人で決められることも増えてきました

私が行った解決方法を二つ

私が行なってきた方法としては「考え方を教える」「選択肢を絞る」 ということです。

考え方を教える

例えば一緒に住み始めた当初、「明日の晩何作ろう」とぴぴちゃんが毎晩聞いてくる時期がありました。

こちらとしても毎回一緒になって考えていてはそれだけで疲れてしまいます。

「自分で決めてよー」といつも言ってはいますが言うだけでは解決しません

そこで自分ならどうやって夕食を決めるか改めて考えてみました。

すめし
すめし

俺なら冷蔵庫のストックから夕食を作る時、大体は賞味期限が近い食材を選んでメニューを考えるかな

この考えをぴぴちゃんに何回でも言うのです。

しかし、ただ言うだけではぴぴちゃんの頭の中に浸透していきません

すめし
すめし

冷蔵庫見てみて欲しいのだけど、一番賞味期限が近いのは何かな?

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

、、、鮭かな

すめし
すめし

じゃあそれを使ったメニューを考えてみようか

といった具合です。

これで決まってしまえば良いのですが、決めた食材でどんなメニューを作るか悩むということもあります。

そんな時はこんな感じで伝えます。

すめし
すめし

あんまり詳しくないんだが、どんな料理があるの?

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

 A とか B とか C とか、、、

 

すめし
すめし

A のメニューはなかなか作るのが大変そうだけど、明日はあまり時間がないだろうからやめようか。

あとB と C は手間は同じぐらいだけど、そもそも B の食材は全部揃っているのかい?

 

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

なかった

すめし
すめし

じゃあ何ができそうかな

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

C!

といった形で二人で会話をしながら考え方を刷り込んでいくという流れになります。

言い換えるなら考え方をルール化する、ということでもあります。

これを何回も繰り返すことによって、ぴぴちゃんの頭の中に夕食の献立を考える流れが出来上がります

一旦流れができると、考えるコストが下がるので自分で考えることができるようです。

それでも何か不安があるのかいちいち確認はしてきますが、逐一一緒に考えていた頃を思うと私の負担はすごく少ないです。

外出先にしても同じ要領で、ぴぴちゃんの頭の中に思考のテンプレートを仕込んでいく、という形になります。

選択肢を絞る

これもなかなか効果的です。

漠然と悩んでいる状態から、こちらで一気に選択肢を限定してあげるのです。

今度は外食を例にして説明しますね。

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

ねえこんばんどこで食べよ~

すめし
すめし

さあ、ぴぴちゃんが行きたいとこでいいんやで

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

決められへん~

すめし
すめし

よしじゃあ、AかBかCの中から決めてくれ!!

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

え~、どうしよっかな~

すめし
すめし

先週ってA行ったよなあ、今週は違うとこにしない?

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

わかった、じゃあBにする!!

といった具合です。

これも「考えるコスト」を減らしてあげる工夫です。

選択肢を限定してあげることによって、選びやすくしてあげるのです。

今回は2択にまで絞ったことで、ぴぴちゃんが食べたいものを選ぶに至ることができました。

発達障害の方にとって何かを考えることは大変

上のふたつともで「考えるコスト」という単語を出しました。

ぴぴちゃんを見ていて思うことなのですが、何かを考えるというのがすごく大変なことのようです。

「決定疲れ」の存在

定型発達の人についても同じなのですが、何か物事を決定する時には必ず脳がちょっと消耗します。

人間は大小含めるとかなりの数の決定を行っていて、その数は9000とも15000とも言われています。

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

こんな膨大な数決めたこと無いよ

すめし
すめし

まあ普通の人の数だから、という話はおいておくとして、、、

小さい決定というのは、例えば朝イチの「着る服なににしよう」とか、コンビニで「自分へのご褒美に何買おう、いやそもそも買うか買わないか悩む」とか、ほんの一瞬悩むことも含んでいるからこれだけの数になるんだろうね

さて、夜になるとなんだか頭が疲れてきてぼーっとスマホを見てしまったり、 何かを考えるにしても考えが全然まとまらなかったりすることがありますよね。

これは日中の小さな決定が積もり積もって私たちの脳を疲れさせ動きを鈍らせているから起こることなのです。

これを「決定疲れ」とも言うのですが、言うなれば私たちの脳はヒットポイント(HP)制ということなのです。

すめし
すめし

ちなみに、きちんと睡眠を取ることによってHPは回復するようです。

「朝はゴールデンタイム」といわれているのもHPが万充電であることも影響してそうですね。

なお、決定疲れそのものについてはこちらが詳しいので興味のある方は御覧ください。

発達障害だと決定疲れしやすい?

どうしてこういう話をするのかと言うと、少なくともぴぴちゃんは、大きく言うと発達障害の方はこの HPのMAX値がかなり少ないんじゃないかと思うのです。

朝の出だしから人よりHPが少ない状態でスタートするので、人並みに生活しているとすぐにHPが尽きてしまいます。

こういった理由で意思決定はできるだけ私に投げて代わりに決めてもらおうとして、大きな決定は大体しないのかなあと考えています。

特に大きい決断なんか、その決断を行うために小さな決断を無数に行うことになります。

ぴぴちゃんなりに、その日の HP を使い切ってしまうかもしれないことが経験的に分かっているのかもしれません。

すめし
すめし

例えば会社の中でも、町中でも、すぐに怒り出す人って一定数いるでしょ?

こういう人達も実はHPが尽きかけてて「いっぱいいっぱいなんです」って感じなんだろうなあと最近わかってきたよ

ぴぴちゃん
ぴぴちゃん

それは関係あるのかな

とはいえ、その意思決定を代行し続けると今度はこっちが疲れきってしまいます。

そこで、なるべくぴぴちゃんの意思決定のコストを減らすという上記の方法を試すに至ったのです。

お互いにストレスレスなコミュニケーションを

今回これは日々の小さな「決めてくれない」を解決するための一つの方法です。

同じことでお困りの方は、一度試されてみてはいかがでしょうか。

自分で選ばなくていいというのは楽なものですよ。

コメント

  1. […] […]

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