よく「彼が全然私の心配してくれない!」とか「旦那が病気の私に何してくれるわけでもなく仕事に行ってしまった!」という話ってよく聞きますよね。
なんのなんの、私はASDであるぴぴちゃんに何度か殺されかけてますから!!!
というわけで、今回はぴぴちゃんの共感についてと、その解決策を紹介します。
ASD(自閉症スペクトラム障害)はそもそも人に共感しにくい
一応本題に行く前にASDの共感力について私の見解をさらっとご紹介します。
我々が『共感』と呼んでいる、
ができるようになるためには、実は複数の発達のステップがあります。
詳細は↓の記事にまとめましたのでご覧ください。


発達障害があると発達段階がどこかのレベルで停まっている(成長途中)ことが多いので、普通の人からしたら「冷たい人」「考えていることがわからない人」というふうに見えてしまうのですね。
我が家のケース
さて、本題に行きましょう。
我が家のぴぴちゃんの共感力もなかなかのものでした。
J-POPを聴いていても歌詞に共感するということが基本ないので、私と会話が噛み合いません。
ぴぴちゃんの頭の中では歌詞を聞いて「感動のあまりアツくなる」というより、「ああ、そういう系ね」とジャンル分けがなされる程度です。
まあクールといえばクールなのですが。
この程度のことなら「まあこういうヤツだからな」で済ませているのですが、ある日そうもいかない現場に直面することになってしまいます。
高熱に倒れるすめしを引きずって家を出ようとするぴぴちゃん
とある記念日、私は突然高熱を出してしまいました。
その日色々とお出かけする予定も立てていたのですが、当然全てキャンセルです。
40℃近い高熱の中、自分の体調管理について痛く反省しつつぴぴちゃんに謝るのですが全然聞き入れてくれません。
絶対に行くといって聞きませんが、我が家の車はマニュアル車。
私が運転せねば1mmも動きません。
結局キャンセルしたのですがもうそこからぴぴちゃんが泣くわぐずるわネチネチ責めてくるわで、柔らかい表現でいうと地獄でした。


楽しくなーい、楽しくなーい、楽しくなーい(原文ママ)
これのエンドレスです。
高熱により朦朧とする意識の中で延々と聞かされる「楽しくなーい」、地獄以外の何者でもありません。
雪が降り積もる夜空へ引きずり出されるすめし
地獄のクライマックス(暗いMax)はその日、家の飲料水が空っぽになった時です。
いつもなら近所の徒歩5分ほどのところにあるドラッグストアまで二人で歩いて汲み行くことになっています。
しかし私は40℃の高熱、流石にこの体調では行けそうにありません。
ていうか絶対無理。


ぴぴちゃんホントすまねえ、、、


すすちゃん!!
今から汲みに行くで!!!
ぴぴ、お出かけ我慢したんやからな!!!!
それくらい頑張ってついてきたってーな!!!!


は!?え!?
Oh,クレイジー!!!!!!!!!
いや、ありえないでしょ、普通40℃熱出してる病人を連れ出す!?
しかもこれは当時記録的大雪を叩いた年の1月下旬のことで、当然外は歩くのも大変なくらい雪が積もっておりました。
ていうか絶対無理!!(2回目)
結局行きましたけどね
本当に死ぬかと思った、いやもうこうなると人間案外死なないものなんだなあと逆に面白かったです。
ていうか平熱35℃台なのにどうして倒れなかったんだろう。
なお、この一件ではぴぴちゃんは看病らしい看病はほっとんどしてくれませんでした。


ちょっとくらい、やってあげたしー!!


水冷蔵庫から持ってきたことか??ああ??
と、この件を期にぴぴちゃんのそれまで感じていた違和感について本気で考え始めます。


こいつ、変わったやつだとは思ってたけど、どうやらマジモンのサイコパスだぞ。
どこかでケリつけないと本気で近いうちに殺される、、、!!!
その後「発達障害」の存在を知り、それもあり未だ付き合っていますが、あのままだったらもう今頃ぴぴちゃんに殺されてましたね笑
ヤツに共感を叩き込む
好機は一ヶ月後に訪れます。


すすちゃああん、熱で頭フラフラする~、
今日おでかけできないよぉお。
ザ・真逆の立場☆彡
「ここで会ったが百年目(死語)」とばかり煮るなり焼くなり好きにしても良かったのですが、私は仏様なので、しっかりとぴぴちゃんを看病をしてやります。
代わりに、真っ赤な顔でベッドに横たわるぴぴちゃんに仏のようにコンコンと言い聞かせ続けました。


ええか?これが看病いうてな、ぴぴが本来先月の俺にしてやるべきことやってん。
おめえはそれをしないばかりかネチネチネチネチネチネチネチネ(略)
あまつさえ雪の中を歩かせやがって、、、
ええか?今度あんなことしやがったら、二度と看病してやんねーからな、
それどころかスマキにして外に放り出したるわ!!!
ぴぴちゃんはそれ以来、私が風邪引いてもメチャクチャなことはしなくなったとさ☆彡
ぴぴちゃんの特性について考察
さて、当たり前(だと思いたい)の話ですがぴぴちゃんは本気で私を殺そうとしているわけではありません(多分)。
今回は一種のパニックが引き起こさせた事故のようなものだと解釈しています。
ぴぴちゃんは「損する感覚」に非常に弱く、「~を失ってしまう」「~ができなくなる」と思うとパニックに陥ります。
そして意地でもなんとかしようとしたり、塞ぎ込んだり、癇癪を起こしたりとまあパニックの発現の仕方は様々ですが、今回「記念日がなくなる」というのは彼女にとってそれほどショッキングなことだったのでしょう。
女性はただでさえ「記念日を大事にする生き物」といいます、つくずく申し訳ないことしたなあ。
私が取った方法についての考察
とはいえ!その不始末の度いちいち殺されかけていては身が持ちません。
そこで取った方法が上記のとおりなのですが、基本的な考え方はこちらのレベル0とレベル1への対策と同様です。
パニックに陥ったぴぴちゃんは、まず全くといっていいほど周りが見えていません。
自分しか見えていないのです。
そこで、「癇癪を起こすと自分が同じく風邪で窮地に陥った時に助けてもらえない」と刷り込むことで「自分しか見えないモード」でも一歩踏みとどまってもらえるのです。
これは上記レベル1の対策です。
しかし、もしぴぴちゃんが「そもそも看病ってなに」状態であるなら、レベル1の対策だけしても意味がありません。
パニックという(本人としては)極限の状態で、「看病しなくちゃ看病してもらえない!でも看病って何!?!?」となっていてはパニックに拍車がかかります。
これを防ぐため「そもそも風邪をひくと人間どうなるのか、どのように看病してもらえると嬉しいのか」をきちんと知ってもらうために敢えて看病したのです。
これは上記でいうレベル0の対策です。
報酬込みの共感でも共感の第一歩
「それ、共感とはちょっとちがくね??」
という意見ももちろんあると思います。
ごもっともですね。
というのも、レベル3~4あたりが普通の方の共感力なので、たかだか一度レベル0~1への対策をしたところで普通になるはずがありません。
それでも、共感してもらうことを諦めてはいけないと考えています。
モグラつぶしのように対策をどんどん行うことで、日常の色々な分野で共感力レベル3くらいになったとしたら、それはもはや『発達』と言っていいのではないでしょうか。
これを続けることでぴぴちゃんの共感レベルを最終的に3~4にすることを、私は今でも目指しています。
あなたのパートナーとの方法も模索しよう
上記はあくまでも一例です。
これで上手くいくこともあれば、いかないこともあると思います。
それでも諦めずどんどん考えて、片っ端から試していくしかありません。
命もかかっていることですしね笑
もし「我が家ではこんな方法試しています!」ということがあれば、コメント欄やTwitterで教えていただけると大変嬉しく思います。
みんなで共有して、発達障害の人やカサンドラ状態になっている方々が、ちょっとでも生きやすくなるような世の中にする手伝いがしたいと、本気で思っています。
コメント
[…] 確かに割って入れてくる話題の内容は「週末は~で買い物しようね」とか「水を汲みに行くのは明後日だからね」という、確認事項が多い気がします。 […]
[…] それが顕著に出たのがヤマトに電話かけちゃう事件だったり、高熱すめしを外に連れ出す事件だったりするわけですね。 […]